筑波大学は2024年度からおよそ10年間をかけて本学ならではのチュートリアル学修を導入していきます。現在の計画では、2024年度から2026年度までの3年間は入学初年次の40人程度の希望者を対象とした先導的なプログラムから始め、2027年度からの6年間のうちには100人規模、そして2032年度からの6年間のうちには、これを全学の1600人規模まで拡充します。人数的な規模拡大の歩みがゆっくりである印象を持たれるかもしれませんが、これは、チュートリアル学修の導入によって学士課程におけるカリキュラムのあり方を根本的に変革していくために要する時間を見積もっているからです。本学は、個性と自立を基軸とし、世界が直面する問題の解決に主体的に貢献する人材の創出を教育の基本的な目標に掲げています※1。すべての学生の個性と能力を開花させ、豊かな人間性と創造的な知力の獲得を促し、学生とともに知の拠点を共創することに努めること、さらに、学生の自主的な学修を支援することを旨としています。これまでも、「先導的研究者体験プログラム(ARE)」や「つくばアクションプロジェクト(T-ACT)」のほか、学群・学類が創意を凝らした学生の「やってみたい」を応援する様々なプログラムや科目を多数開設し実施してきました。これをさらに進め、様々な要因が複雑に絡み合い、解決が容易ではない地球規模課題に取り組み、その解決策を創造的にデザインできる人材をさらに多く社会に送り出すことができるよう、個性あふれる多様な学生のそれぞれに応じた手厚い教育を準備しながら大学教育を変革していきます。チュートリアル学修の導入は、その一環です。
すでに策定している「つくば型チュートリアル学修」のプロセスにのっとり、その学生が学んでいる専門領域における知識や能力の深化とともに、幅の広い教養に基づく俯瞰力も有する学修を、個別指導的な要素を多く取り入れるように教育カリキュラムを本学は拡充していきます。その内容は、今後随時お知らせしていきます。研究型総合大学である本学が、教育力と研究力がともにより高くなるように充実をはかり、より多くの優秀な人材が日本国内はもとより国際的にも活躍できるようにしていきます。
坪 内 孝 司
(チュートリアル学修推進委員長/先端教学推進機構長/大学執行役員)
※1 筑波大学教育倫理綱領